アラスカガイド・デナリ大移動編

2008 / 3 / 27

“Great Horned Owl”の興奮や、チェナのオーロラが覚めやらぬまま、いよいよチェナからアンカレジへの大移動の日。

午前10時頃にチェナを出発して、快適に飛ばして、昼少し前にフェアバンクスで1回目の給油とランチ確保。給油中にお客さんが地元の男性に話しかけられ、しばし盛り上がる(彼女は小柄で可愛らしく、アラスカ男にモテる)。
なんでも日本語に興味があるとか、コンサートがあるとか。アラスカでは本当に皆フレンドリーで、普通に他人とさらりと会話になる。普段砂漠のような不毛の通勤に慣れた人は、それだけでもアラスカを訪れる価値があるかもしれない。アラスカでは語学力よりも「微笑み返し」。

フェアバンクスからアンカレジまでの一本道に無事入る。
ここからひたすらアクセルを踏み続ければ、デナリ国立公園経由でアンカレジ。このハイウェイを南下するのも今回の旅の醍醐味で、通常のツアーでは絶対ボツになる企画。しかし700キロ超えのドライブは決して単調ではなく、このルートを走った者にしかわからない感動を与えてくれる。

道も広く、まるで北海道。ただ冬道なのでときどき凍結していたり、軽くスリップする。私も冬道ドライバーだが、アラスカの人達の飛ばし方は尋常でない。しかしその尋常でない理由がわかった。彼らのタイヤはスパイクなのである!!もちろん私のレンタカーはスタッドレスだが。まだ強い規制がないようで、かっとび車はまずスパイクタイヤ。賛否両論だろうが、この話は置いておく。

フェアバンクスを出て2時間半くらいでマッキンレーが見え始めた!
アラスカでは、オーロラの次に
「この山を見たか?」
が観光客への挨拶になるほど、素晴らしい眺めの山である。北米最高峰のマッキンレー。
緯度からしても、エベレストよりある意味登山条件の厳しい面が多々ある。山で多くの登山家の命を吸い込んでいる。それでも、この山の魅力はとうていはかりしれない。何かをもっているのだ。

言葉を失うほど素晴らしい絶景のドライブが続く。

このルートでは、車を停めたところが絶景スポット。つまりどこでも写真になってしまう風景なのだ。天気にも恵まれ、ぬけるような青空に白い雪をまとった山々。

順調にデナリまでドライブ。デナリは、夏には人でごった返すアラスカを代表する観光スポットだが、冬はホテルもお店もクローズして誰もいない集落となる。それでも広大な道に突然現れる国立公園の入り口は、北海道もすっぽり飲みこむほどのけたはずれの大きさの公園。目的地までシャトルバスで300キロや400キロもざらである。マイカーは完全規制で、バスのみ国立公園に入ることができる。

夏や秋のデナリに思いをはせながら、アンカレジを目ざす。

遥か昔に、氷河にけずられてできたであろう、平野をひた走り、森を抜け、大河や小さな川をいくつも越えて南下していく。

考え事をするにも、おしゃべりするにも、ぴったりの道。

価値観や趣味の合う人と一緒ならなお楽しいだろう。時には話すのをやめて静かに流れる車窓にボーとするのもいい。日本や自分の土地を思いだして、目の前の広大な原野と比べるのもよし。

タルキートナを少し越えたところで2回目の給油。
タルキートナはマッキンリー登山の基地になる町で展望も有名だ。ガソリンスタンドと雑貨屋さんとバーがいつも一緒にあるのがアラスカ。もちろん皆全開で飲んで運転!ぶつかる車や人がいないのがポイント?

少し日が落ちてきたところでアンカレジまで70キロほどの地点を通過。
ここはムースのポイント、と話ている矢先にムースだ!この時期、ムースの角は落ちているがとにかくでかい!鹿とは基本的に比較にならない。

そんなムースをじっくり観察して、気づいたらアンカレジの街に車は入っていた。なんともいえない達成感と心地よい疲労。アンカレジの街はフェアバンクスとは異なり大きな街だが、札幌のように碁盤の目状に通りが整備され快適。ダウンタウンで久しぶりの日本食(焼き魚定食)に、
「なんて美味しい!」
を連発して盛り上がる。ユーコンサーモンやタラの粕漬け焼き、お味噌汁に漬物。アラスカの日本食も素晴らしい。

いよいよ明日はボーナススポットのスワードへの往復500キロドライブ!



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