アラスカガイド・スワード編

2008 / 3 / 28

朝6時半は真っ暗。昨年も家族でお世話になった、アンカレジのB&B「ミッドナイトサン」の奥さんは気づかいの人で早朝にも関わらず心のこもった美味しい和食を用意して待っていてくれた。旅も後半の我々には、日本食のありがたさはカラダに染みいる美味しさ。アラスカのサーモンや目玉焼き、そしてアラスカ産手作りのブルーベリージャムとヨーグルトなど、美味しくて皆完食。

今日は、無事3日間オーロラが観られたということもあり、私や旅行会社のスペシャルボーナスで、キナイ半島のスワードまで日帰りドライブツアー。往復500キロ近い距離だが信号がない!ワイルドライフも期待できる。そして海のある風景のアラスカなのだ。

7時半にアンカレジを南下開始。ドライブ開始から1時間で、目の前に絶景が広がりはじめる。深く入り込んだ入り江と、山の織りなす風景。見渡すかぎり、まるで絵葉書の世界。そして「ベルーガポイント(一角というくじらのポイント)」の近くでは、ドールシープが観られるかもしれない、という期待に胸をワクワクさせながら走る。

あれ!いた!
ありえないような山の急斜面の岩。白い角のある野生のヤギがいるではないか。いったいどうやってそこにたどりついたのか?という疑問がおこるような斜面に、彼らはいる。アラスカの絵葉書にはよくでてくるが、実物は私も初めて。本当に興奮した!

道はどんどんアイスバーンになり、横転している車も。しかし運転に注意をはらいながらも、目の前に広がる絶景に圧倒される。ちょうど山に朝の光が差しこみはじめ、海沿いから霧も立ちこめて、まるでイリュージョンのような、光と山と海の演出なのだ。偶然、カーステレオから響く音楽もケルト音楽で、目前に広がる風景にとけこみはじめる。はずかしいほど心を奪われ、今、ここにいることに、感謝したい気持ちだった。確かめたわけではないが、もしかするとお客さんもそうだったのかもしれない。となりから、同じようなバイブレーションを感じた。言葉にできない何かを確かに感じた瞬間。そして時間が止まったかのような、永遠の時の流れも感じた。

コンディションの悪い道より、目の前に広がる雄大な山々や、どこまでも美しい白い雪の世界。そんなドライブをすること、さらに1時間半。スワードに近づいてきた。森林地帯に入ってまもなく、目の前をハクトウワシが羽ばたいた。まさか!慌てて車を停めると、そこは格好のパーキングエリアがあり、なんとすぐそばに、ハクトウワシが木に留まっている。プロミナースコープに捉えた。なんて凛々しい姿。そして威厳に満ちている。何度観ても、見飽きることがない。アラスカの空の王者。

スワード(アラスカをロシアから買った国務長官の名前)の街に、昼近くにやっと入る。雪だらけだが、解けはじめてぐちゃぐちゃの道。なぜか住民はちゃんと長靴を履いている。スワードには、もうひとつのお勧め、素晴らしい海洋博物館がある。ここは水鳥を水中の下から観察できる施設や、アラスカの海の生き物に関する展示や、研究成果が素晴らしい。ぎりぎりまで時間をさいて、ランチは大型スーパーで買いこみ、帰路となる。

帰りは道路のアイスバーンも溶けて走りやすくなり、順調にアンカレジに戻ることができた。私はときどき襲ってくる睡魔との闘い(汗)。
500キロ近い距離を日帰りで、というのもなんだが、アラスカは物理的にそれが可能なのが、やはりスケールの違いなのだろうか。もちろんゆっくり観て歩きたいのはやまやまである。

今回のアラスカ・ガイドの一部ですが、ご紹介させていただきました。


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