アラスカハイウェイより

2009 / 4 / 8

アラスカハイウェイさてアラスカハイウェイ。結局4500キロちょっとを走ってきました。
特にカナダへ初入国が車でビーバークリークというのが最高で、ボーダーで素敵な国境警備隊のお姉さんが、
「あら、カナダ初入国?ビーバークリークのスタンプ受けるなんて!」と満面の笑顔。
アンカレジから最高のロケーションのグレンハイウェイを抜け、トクジャンクションからヘインズジャンクションへ、16時間1100キロを、晴れ、くもり、吹雪、朝から夜中、と走った。
途中睡魔や幻想?のなか、ウサギやライチョウのバンバン飛び交う道。
ときどきカリブーも横切る道。80キロから100キロのスピードで信号もない道をひたすら、である。対向車も後続も、もちろんほとんどいない。まさに孤独の世界。考えごともいろいろしたがそれはまるで禅の世界のよう。そう途中から無の世界なのだ。現実なのか夢なのかも一瞬わからなくなる。ただひたすら、荒野を走るのだ。
アラスカハイウェイ 夜

苦痛ではない、退屈なわけでもない、そうただひたすら走る。走れることの喜び。荒野の道に自分の小さな存在をかみしめる。なぜここにいるのか、なぜこんな旅をしているのか。

まるで16歳のころ、自転車で北海道を走ったときの感覚だ。ただ走るだけで嬉しい。気持ちが高揚する。
アラスカハイウェイを走り抜ける!
これだけで充分なのだ。この感覚は説明できない。しかし自分にはかけがえのない精神であり何か大切なもの。

夜中まで走り、仮眠して朝焼けのアラスカハイウェイを走る。背中から日が昇る。ライチョウが飛び出しムースが厳しいシーズンをものともせず大きな体で荒野にたたずんでいる。心から満たされて思わず車を止めてアラスカハイウェイにたたずむ。もちろん私1人だ。カラダじゅうにエネルギーが回る感じ。1人だ!でもこのアラスカの大自然に1人は素晴らしい!

途中ガス欠になって動けないベトナム人親子に、ガソリンをわけて一緒に次のスタンドまで走ってあげたり(ガソリンスタンドは200キロはないのが当たり前)、写真を撮ろうと車を止めていると、たまたま通りかかった車が必ず、
「問題ないか?」
と声をかけていってくれる。アラスカハイウェイだからだ。予備のガソリンタンク2つは思いもよらない形で役にたってくれた。

このアラスカハイウェイは特別な道だと思う。
"I survived Alaska HW"
きっとご縁あっての道だが、私は本当にこの道を走れて心底感激、そして感謝している。できれば志ある多くの変人?にこの道を体験してもらいたいと思う。本当に素晴らしいのだ。道に魂があるというのだろうか。

1人で走ったこともよかった。
「世界一の道」とうたっているのは本当だろう。
この道で見つけたもの、感じたことは本物だ。


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