Geoff Muldaur and Amos Garrett At HickoryWind

2010 / 10 / 14

夢なのか現実なのか、わからないような時間が何度もあった。
これほど素晴らしい充実した音楽、出会い、感動の2日間があっただろうか。
一番素晴らしかったのはライヴに集まってくれたオーディエンスの人たち。
言葉にできないくらいの感謝である。
ジェフとエイモス、スタッフのオードリーと麻田氏、北海道鶴居村ヒッコリーウィンド。
ミュージシャンとオーディエンス、場所とが、最高の調和と響きをもたらした。

2001年にジェフ・マルダ―を初めてヒッコリーウィンドに呼んだ時の感動が、当時の何倍にもなって帰ってきた。
それを当日集まってくれた皆とジェフ、エイモスとも分かち合えたのだ。
こんな素晴らしい時間や出会いはそうめったにあるものではない。
名演がどうとか、客のノリがいい悪いとか、遥か空の彼方。
そこにあったのは素敵な人たちのあふれる笑顔とあたたかさ、そして心からの感動だった。
これ以上何を望むというのか。

お客さんの何人かに
「安藤さん、夢が実現したね!」
と何度も声をかけていただいた。
しかし私は気づけば、そのエイモスとジェフがヒッコリーにいることよりも、この夢の実現によって、多くの人と、素晴らしい出会いと感動を一緒にシェアできたことこそ、本望。
沢山のオーディエンスの笑顔を見るたびに、本当に実現できてよかった、と。
10年前の熱い思いは今回でさらに熱くなり、そしてあらめて、目ざすものがはっきりしてきた。

ジェフとエイモスの2人だけの演奏と歌。
この贅沢さは言葉にならない。
1+1が10のような感覚。
それを存分に堪能した感じだ。
ヒッコリーウィンドの新しい空間はエイモスのお墨付きで、ジェフも新しい空間をとても気に入ってくれての演奏だった。
PAもオペレートさせてもらったのだが、ヒッコリーウィンドのライブの歴史上、もっとも低いボリュームレベル。
10の目盛があったなら、今回はなんと1.5しかアンプレベルがあがらない、ほとんどアンプラグ状態。
これは贅沢の一言。
麻田氏いわく、マイクも必要ないのでは?と言わせる音響状態。
ボーカル、ギターのどちらも、素晴らしいナチュラルな響きをもたらした。
これはオーディエンスにとって最高の音の感じ方であったはず。
記録した音源がこのバランスのよさを物語っていた。

夢のような奇跡の時間は翌日も続く。
ジェフとエイモスを連れて、マス釣りとクマゲラ探しのバードウォッチングツアー。
現場に到着して5分もたたないうちに、いきなりクマゲラの声。
これが観たくて来ているジェフ。
絶対にこのチャンスをものにしなければ、と気合を入れて探す。
見つけた!かなりいい条件でスコープに入れてジェフに見せる。
彼の満面の笑顔。
ジェフとその場で握手して、同行しているお客さんたちとクマゲラウォッチング。
なんてラッキーなんだろう。

カヌーを使いガイドをスタートする。
エイモスは、昨年お世話になった、北海道は羊蹄山のふもとでB&Bとガイドをしている北村さんと出艇。
北村さんもジェフやエイモスを通じて出会った、本当に素敵な人だ。
私はジェフを乗せてカヌーを漕ぎだす。
クマゲラをすでに見せているので本当に気が楽だったが、エイモスがニジマスをヒットさせられるか。
ところがまた奇跡が続く。エイモスが40センチ超えの大物をヒット!
そのときのエイモスの興奮と我々ギャラリーの声援たるや。
まるでお祭りのように盛りあがり、ついにエイモスが疲れたニジマスをランディング。
一同大拍手で祝福すると、こぼれそうな笑顔のエイモス。
ジェフもさかんにエイモスをたたえている。

この光景は本当に現実なのか?
私はまた天を仰いだ。
ジェフは”テネシーブルース”の歌詞をカヌーの上で口ずさむ。
彼はなんども、
「この素晴らしい時間をありがとう…」
と口癖のように言ってくれる。
”プリーズセンドミーサムワントゥラヴ”や”スモールタウントーク”のシンガーとして雲の上にいたジェフ。
時間を飛び越えてしまった。

ジェフがもう1匹釣ってディナーにしようとエイモスと言っている矢先に、またエイモスが40センチ超えのニジマスをヒット!
凄すぎる!
ヒッコリーの夕食に素晴らしいニジマスのムニエルが並んだ。
もちろんあっという間に骨と頭だけになる。
エイモスは
「マコト!今日の俺はヒーローだろ?バーボンで祝ってくれないか?」
と、バーボンリクエスト。
ノブクリーク9年でエイモスは乾杯。
「最高だ」
とバーボンを飲み干すエイモス。

夢のような時間。
最高の出会いと感動にあふれた2日間。
これもヒッコリーウィンドに集まってくれた素晴らしい人たちのおかげだ。
皆でシェアした、最高の宝のような時間。

心から皆さんに感謝の気持ちをこめて、ありがとう!

こんなに素晴らしい時間を皆さんと共有できるなら、これからももっと、頑張っていける。
すべてに感謝したいような、そんなジェフとエイモスのライヴ&ガイドだった。


この記事のタグ: , , ,

Comments are closed.

What's this?

BLOG TOP>カテゴリー:ライヴ&コンサート, 10月のガイドレポートの記事:Geoff Muldaur and Amos Garrett At HickoryWind です。