若いキムンカムイ

2012 / 7 / 23



知床で熊がみれたらというお客さんのリクエストに、きゅうきょヒグマの遭遇率の高いルートをガイドしていた。
幸運なことに至近距離で遭遇。
まだ親からはなれたばかりの若いキムンカムイ。
アリが好みなのか、一生懸命に石をひっくり返しながらアリをなめている。
私も年に数回彼らに遭遇するが、今回は距離がかなり近かった。
ファインダーから覗いた表情は無垢そのもの。
写真からもその雰囲気や表情が伝わるだろうか?


首からカウンターアソート(クマよけスプレー)の安全ピンを抜いてぶらさげ、いつでも発射できる状態での撮影。
何度か目があった。
あどけない表情に野生の強い光。
こんなタイミングで若いキムンカムイと対峙できるとは思わなかった。

数週間前、阿寒湖で若い雄が射殺されたことを聞いて胸を痛めていたばかりなのだが。
撃たれた理由が何度も人に目撃されているという理由。
知床のヒグマたちはどうなのだろう?
この若いキムンカムイも、心ない観光客に餌付けされ、射殺されてしまわないだろうか?
さまざまなヒグマを取り巻く問題をフラッシュバックさせながら帰路につく。

今、写した写真を見ながら本当に彼らをとりまく様々な問題に取り組んでいくこと、そしてけっして人をむやみに襲う害獣ではない真実を、もっと伝えていかなければならないと
考えさせられた。
マスコミのかたよった情報だけでは多くの人たちに誤解されてしまう。
北海道の地元の人間すら、ヒグマのことをほとんど知らないのだから。

無垢な若いキムンカムイの瞳が目に焼き付いている。




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