静寂と満月

2010 / 6 / 30 |6月のガイドレポート

月食の夜から満月にかけて、森のカヌーツアーを連続で催行していた。
星空や満月のカヌー、といってもなかなか実際に体験してみないとわからない世界だろう。
しかし、このメニュー自体が一般的ではないところに、私のガイドの真髄の一部があると思う。
では実際はどんな時間が流れているのだろうか?

偶然にも満月の1日前に月食をカヌーから眺めることができた。
静寂と満月という状況に、カヌーが水面に漕ぎだしていく情景を想像してみてほしい。
もちろんパドルが水面をかく音は最小限。
まったく無音もダメ。
少しだけ水音が響く静寂。
ニジマスたちもときどきパシャリと銀色の波紋とともに静寂を高めている。
エゾアカガエルたちの合唱はエリア別だ。
各エリアごとにそれぞれ鳴いている。
そして突然鳴きやんだときに、圧倒的な沈黙が広がる。 » Read the rest of this entry «

鵺(ぬえ)鳴く星の夜

2010 / 5 / 31 |5月のガイドレポート

今年も「星のカヌー」が始まった。
日没の山をカナディアンカヌーをかつぎ歩くこと30分弱。
素晴らしい金星の光にてらされて、星のカヌーが静寂の水面にすべり出す。
一同、素敵な雰囲気に溜息のスタートだ。 » Read the rest of this entry «

Into the Marshland

2010 / 5 / 26 |5月のガイドレポート

5月の連休から今日まで、昨年同様まったく湿原の水位が下がらない。
昨年の長雨や冷夏を思いだすが、心おどる探検ができるのも長雨の結果。

5月はリピーターのお客さんたちと地形図をもってカヌーで釧路湿原探検。
カヌーで「川下り」は一般の話で、我々はなぜか「川をさかのぼる」のである。
これは増水しているときに、釧路湿原全体が細かいクリークのような水路があちこちにできて、可能になる。
当然、地形図がないと広大な湿原で自分がどこにいるか、どこに行こうとしているか、もわからなくなってしまう。
ところがこの探検カヌーが面白いのだ。
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タンチョウ子育て

2010 / 5 / 19 |5月のガイドレポート

今年は昨年より、湿原全体のタンチョウの子育て開始が早い。昨年6月スタートが今年はほとんど5月の1週目から。ガイド的には新緑のブラインドを考えると有利な条件。6月中旬くらいまでは、可愛い甘えん坊の雛たちや全身全霊で愛情を注ぐタンチョウの親たちをじっくり観察できそうだ。今私が押さえている子育て夫婦は4つがい。うちひと組は兄弟を育てている。

タンチョウの子育てについては、「特別」と言っていいほど、夫婦のタンチョウの深い愛情に心打たれるはずだ。ザリガニを与えるのもわざわざ遠くから運んでくる。それだけではなくザリガニのハサミをちゃんと取りのぞいたり。その愛情のきめ細やかさや丁寧さには、人間も脱帽もの。

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帰還

2010 / 4 / 16 |アラスカガイド

1ケ月ぶりくらいにアラスカより無事帰還。
ガイドしながらの走行距離5800キロ。期間も距離も過去最長となる。
また出発の前日が父の告別式となりました。
本当にこれしかないというタイミングで、アラスカに旅立つことを許し送ってくれた父や家族に感謝。アラスカには父も一緒にいるような感じが何度かありました。

今回のアラスカガイドはいろいろな意味で私自身のターニングポイントになっていたような気がする。実際1ケ月近いガイドはオーロラもふくめ、大きなプレッシャーのなかでのガイドだが、それをひとつずつ乗りこえて何かをつかみ、解放していく。お客さんたちと過ごす素晴らしい感動の時間。ガイドをして本当によかったと、噛みしめるように思う。

今は父が旅立った寂しさや悲しみよりも、素晴らしい父に生まれ育ててもらった感謝や、喜びが大きい。そして自分は、まさにこれからだ。 » Read the rest of this entry «

Where Am I?

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